ポップの裏に潜むぶっ飛んだアヴァンギャルドさ~JUDY AND MARY「THE POWER SOURCE」(1997)
はじめに
僕はヴィジュアル系が好きである。というか基本軸はそっちにある。
今年26歳になるにも関わらず歌謡曲と80年代から90年代のヴィジュアル系で育って、そこからルーツの音楽や洋楽など色々と手を広げていった人間である。
じゃあ、なんでこれ?ぶっちゃけ今日思いついたから…
まあ実は「初めて買ったロックバンドのアルバム」という永遠に忘れることの出来ない思い出も封じ込められてることは確かだけど、それはそれ。
ほら、思考って鮮度が大事じゃん?思い立ったら即行動ってきっと昔の偉い人も言ってた。言ってたと思う!
お見苦しい点はひたすらに目をつぶってください。
JUDY AND MARY「THE POWER SOURCE」(1997)
- BIRTHDAY SONG
- ラブリーベイベー
- そばかす
- KISSの温度
- Happy?
- Pinky loves him
- くじら12号
- クラシック
- 風に吹かれて
- The Great Escape
全曲作詞:YUKI(1,7,8は作詞Tack and yukky)
1,2,5,6,7,8は作曲:TAKUYA
3,4,9,10は作曲:恩田快人
プロデュース:佐久間正英(8のみ藤井丈司)
全曲編曲:JUDY AND MARY
- アーティスト: JUDY AND MARY
- 出版社/メーカー: Epic Records Japan Inc.
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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バンド史上初のオリコン1位を獲得し、ミリオンセラーも達成、最大売上も記録した本作…。
めちゃめちゃ好き!!!!!!
思い入れが強いってのもあるんだけど実は全曲合計でも39分41秒とかいうコンパクトサイズなので、オリジナルアルバムって存在が聴き慣れない人でも聴けちゃうのがいい。
まず1,2曲目から繰り出されるTAKUYAさんが作曲のナンバー、BIRTHDAY SONGやラブリーベイベーのようなフリーキーでサイケデリックなポップソングが最高。
特に恩田さんの作った3曲目のそばかすとか大正義なんですよ。
ベースの恩田さんとドラムの五十嵐公太さんがオーソドックスなプレイで屋台骨を支えて、YUKIさんのロリポップな歌声が乗っかり、ギターのTAKUYAさんが地味に変態プレイで暴れまわる…。楽曲としては非の打ち所がない。ロックとしての聞き所だけでもなく、ポップソングとして単純に超聴きやすいと思う。
歌詞がるろうに剣心のOPナンバーとしては全く合ってなかったけどな!!!
(歌詞はキャンディキャンディを参考に書いたから仕方ないけど…)
そこから、聴きやすいポップさがありつつ変則的なテンポ変化のある恩田さん作曲のKISSの温度、
作中で最もTAKUYAさんのギターがノイジーでテンションの高さが感じられるTAKUYA作曲のHappy?に流れ込む。
ここまでがアルバムの折り返し地点でありながらまだ20分弱なのがやばい。情報量が多い。テンションも高すぎる。
そのテンションの高さを維持したまま、ここからTAKUYAさん作曲ナンバーが連続する。
まずはスロウテンポでジャジーさをバンドの音楽に取り込んだ、アルバムならではの実験的ナンバーPinky loves him、
メロディアスなポップさの陰でTAKUYAさんのカッティングと目の細かいギターフレーズが冴え渡る大ヒットシングルくじら12号、
そして、前曲と対照的にポップ感を少し抑えつつオシャレ感のあるコード進行とギターソロで爆発する伸び伸びとした音使いが耳に馴染むクラシック。
1曲あたりが3分半前後から長くても4分半、合計でも15分にすら満たないのだから本当にコンパクトに纏まってると思う。
最後の2曲は恩田さん作曲のナンバーが控えている。
郷愁感のある歌詞とメロディアスでオーソドックスなメロディラインが歌謡曲的な懐かしさを感じさせる風にふかれて、
全パートがパンキッシュな疾走感でひたすら駆け抜けるのがひたすらに気持ちがいいThe Great Escape。
アルバムのシメにするのに一切しみったれた空気を出さないあたりとっても好み。
割とバラエティ豊かでぶっ飛んでるアルバムなのに統一感があるのはやっぱりYUKIさんの歌声と五十嵐公太さんのドラムに寄るところが大きいんだろう。奇跡のバンド。
コレ全部で39分41秒なのやばいくらいにコンパクト。メロコアとかハードコアパンクでもやってるの?って今なら言いたい。ちなみに僕はどっちも好きなジャンルです。
個人的にはその次のアルバムPOP LIFE、ラストアルバムのWARPも書きたいなーとは思ってるけど、JUDY AND MARYのアルバムとして一番バランスが良いとするなら間違いなく本作だと思う。
実はこのアルバムからTAKUYAさんの作曲割合が増え、反対にバンドリーダーで創設者の恩田快人さんの割合が下がっていく。というか今作以降の2枚のアルバム合わせて恩田さん作曲は1曲しか無い。
TAKUYAさんと恩田快人さんの年齢差は実に6歳、しかも前のバンドも含めキャリア自体も6年近く差があったのだが…。
まさに下剋上…。バンドのパワーバランスがここまで逆転した例って近年じゃ珍しいんじゃないかな?
そういうのを鑑みるとJUDY AND MARYのメインコンポーザーがTAKUYAさんのワンマンになる直前の一番いいバランスの作品はやっぱり本作だな~って思います。皆も聞こうね。最高だから…。
最後に
JUDY AND MARY「THE POWER SOURCE」を買ったのはもう13年くらい前…中1の頃テレビでアニソン番組がやってて聴いたそばかすがきっかけです。音楽のことがよくわからなかったので、とりあえず某BOOKなんとかでそばかすが入ってるアルバムを手にとるわけなのでした。
オリジナルアルバムとベストアルバムの区別もつかないまま買ったので聴いた当時は聴きやすくて声が可愛いなーとしか思えておらず、凄さがわかるまでに数年を要してな…。
今なら言える。このアルバムは超名盤だぞ!!日本音楽史に残る名盤だからな!!!買え!!!!
あと…やっぱり文章は勢いで書くものだなと思いました。寝かせるのはよろしくない。
はじめてのアルバムレビューがヴィジュアル系じゃないけど、そのうちそういうのも書きます。あと音楽以外もいっぱい書く予定があります。皆さん今後ともヨロシクお願いします。じゃあな!